
FANG+(ファング・プラス)指数は、米国のテクノロジーおよび成長企業を代表する10銘柄で構成されている指数です。投資家にとって、これらの銘柄の入れ替えは市場への影響が大きく、常に注目を集めています。では、FANG+の銘柄入れ替えはいつ行われるのでしょうか?
FANG+銘柄の入れ替えの基礎知識
- FANG+銘柄の入れ替えタイミング
- fang+構成銘柄の入れ替え基準
- FAANMG銘柄って何?
FANG+銘柄の入れ替えはいつ?
FANG+指数の銘柄入れ替えは、四半期ごとに見直しが行われる仕組みになっています。具体的には、3月、6月、9月、12月の年4回の見直しが行われ、必要に応じて銘柄の追加・削除が実施されます。
具体的な入れ替えの流れ
- 指数提供会社が四半期ごとに銘柄を見直す
各銘柄の市場環境や業績を基に、指数の構成が適切かどうかが評価されます。 - 基準を満たさない銘柄が除外される可能性がある
成長率の鈍化や市場シェアの低下などの要因によって、入れ替えが決定される場合があります。 - 新たに指数に採用される銘柄が選ばれる
入れ替え候補となるのは、テクノロジー分野や新興成長市場で注目を集める企業です。
これまでにFANG+銘柄の入れ替えは何度か行われており、直近ではエヌビディア(NVIDIA)やテスラ(Tesla)が対象になりました。
FANG+銘柄の入れ替えは、投資家にとって大きな意味を持ちます。
新規採用銘柄は投資家の関心が集まり、資金が流入することで株価が上がる傾向にあります。
今後の入れ替えはAI、半導体、EV関連の成長が著しいことから、新たにクラウド関連企業や次世代テック企業が採用される可能性も考えられます。
fang+構成銘柄の入れ替え基準
fang+の構成銘柄の入れ替えにはルールがあります。

こちらは大和証券のiFreeNEXT FANG+インデックスの銘柄算出方法ですが、2022年12⽉19⽇から指数の算出方法が変更になりました。
- 「一般消費財・サービス」、「テクノロジー」、「メディア・コミュニケーション」の3セクター
- 上場後60日経過(1日平均売買高が5000万ドル以上の場合、その限りではない)
- 原則として「FAANMG」6銘柄は固定(残り4銘柄が入れ替え対象)
旧基準に比べると、かなり細かい条件が付きました。
特に上場後6か月経過→60日経過になり、よりスピーディーに有望な銘柄が組み入れられる確率が上がったように思います。
原則6銘柄は固定されますが、残り4銘柄は独自のランキングで選定。

固定銘柄を除く銘柄でランキングを作成し、10位以内に入っていれば、採用継続。11位以下になれば、銘柄入れ替えとなっています。
ランキングのウェイトが時価総額(35%)、1日平均売買高(35%)に重きを置いているので、時価総額が大きい企業が有利なようです。
fang+の入れ替えに左右されない固定銘柄

定期リバランス・ランキング更新のお知らせにも書いてありましたが、原則固定のFAANMG銘柄とは米国の代表的なテクノロジー大手6社を指す造語です。
具体的には、以下の6社の頭文字を取って名付けられています。
- Facebook(現Meta)
- Apple
- Amazon
- Netflix
- Microsoft
- Google(現Alphabet)
この6社は、米国株市場の中でも特に影響力が強く、時価総額も非常に大きいため、多くの投資家から注目を集めています。
FAANMG銘柄の特徴
- 高い成長率
これらの企業は継続的な売上成長を記録しており、テクノロジー業界の先駆者として市場をリードしています。 - 圧倒的な市場シェア
AppleのiPhone、AmazonのEC市場、Microsoftのクラウドサービスなど、それぞれの分野で大きな市場シェアを占めています。 - 強固なブランド力とエコシステム
これらの企業は、消費者の生活に深く根付いたブランドを確立しており、独自のエコシステムを形成しています。 - 多角的な収益源
広告、クラウドサービス、サブスクリプションモデルなど、多様な収益源を持ち、安定した収益基盤を確立しています。 - テクノロジーの先駆者
AI、クラウドコンピューティング、メタバース、自動運転など、最先端技術の開発と実用化に積極的に取り組んでいます。
とてもよく似た銘柄にマグニフィセントセブンというものがりますがそちらは別の記事でまとめています。

fang+の弱点は何?
FANG+指数は、多くの成長企業を含む魅力的な指数であり、私もメインの投資先にしています。

ですが、完璧な投資先などなくいくつかのリスクや弱点も存在します。
業種の偏りが大きい
FANG+銘柄は主にテクノロジー企業で構成されており、特定の業種に偏っています。そのため、テクノロジーセクターが不調になると、指数全体のパフォーマンスに大きな影響を与えやすいという弱点があります。
ボラティリティが高い
FANG+銘柄は成長企業が多いため、株価の変動が大きくなる傾向があります。市場のセンチメントや金利動向、規制の影響を受けやすく、短期間で大きく上下する可能性があります。
規制リスクの影響
FANG+に含まれる企業は、独占禁止法やプライバシー保護の規制強化など、政府からの監視が強まる可能性があります。特に米国や欧州では、大手テクノロジー企業への規制が厳しくなっており、今後の成長に制約がかかる可能性もあります。
企業依存のリスク
FANG+指数は、少数の企業に依存しているため、特定の企業の業績が悪化すると、指数全体のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。例えば、AppleやAmazonなどの主要銘柄が成長鈍化すると、指数の成長も鈍くなる可能性があります。
fang+ 入れ替えが示す未来のまとめ
FANG+指数は、テクノロジー業界を代表する企業で構成されており、世界経済の成長とともに大きく発展してきました。特に、AIやクラウド、サイバーセキュリティ、半導体といった分野の成長が加速している中で、FANG+の銘柄も変化を続けています。
今回紹介した最新の構成銘柄を見ると、従来の「FANG(Facebook、Amazon、Netflix、Google)」の枠を超え、NVIDIAやServiceNow、CrowdStrikeといった新しいテクノロジー企業が加わっています。これは、市場が求める成長分野が変化していることを示しており、これからもこの指数が期待できることの表れではないでしょうか。
しかし、FANG+指数には業種の偏りやボラティリティの高さといったリスクもあります。これらの企業は急成長する一方で、規制の影響を受けやすく、市場の変動にも敏感です。
個人的には短期的なボラティリティで手放してしまわないように、淡々と積み立てていきたいと思っています。
